平成23年度社団法人日本郷友連盟総会  会長挨拶



 本日ここに全国各地から各県郷友会長はじめ多くの会員のご参集を得て平成23年度社団法人日本郷友連盟総会を挙行出来ますことは誠に喜ばしく、関係各位に対し心から厚くお礼申し上げる次第であります。
 先ずもって去る3月11日発生した千年に一度とも云うべき東日本大震災で多くの方々がお亡くなりになりました。
謹んでご冥福をお祈りしますとともに、被災地の皆様に対し心からお見舞いを申し上げ、一日も早く立ち直り復旧復興されるよう祈念申し上げるものであります。

 連盟としても、大きな被害を受けられた岩手、宮城、福島三県郷友会に若干の活動資金をお送りし、また全国から馳せ参じ文字通り泥にまみれて日夜奮闘されておられる陸海空自衛隊の皆様に対し、郷友基金を一部取り崩し慰問品をお送りしたところであります。
 さらには今後長期にわたるであろう被災者や復旧復興のため連盟としていささかなりとも貢献すべく各県郷友会に対し義捐金の拠出をお願いしているところであります。
何卒よろしくお願いしたいと存じます。

 この国難ともいうべき地震津波の自然災害に加えて人災というべき原発事故も発生したのでありますが、私どもは改めて日本人の良さ、日本民族の逞しさを再認識させられたのでありました。
 すなわち、他人への思いやりや謙虚さ、忍耐心、公共心、愛郷心や家族愛などなどであります。
これらは外国の報道などでも賞賛されておりますことはご承知のことでありますが、日本人であることを改めて誇りに思う次第であります。

 また、7週連続して親しく被災地を訪れあそばされた天皇皇后両陛下をはじめ皇室の皆様がお示し賜った深い思いやりは、被災された方々のみならず私ども国民も大いに元気づけられるものでありました。

 さらに、自衛隊、警察、消防あるいは米軍や各国からの災害救援活動には心からの感謝を申し上げる次第です。
就中暴力装置と言われようと予算や人員を削減されようと黙々として救援活動に邁進されている十万を超える自衛隊の献身的な活動ぶりには本当に頭の下がる思いがいたします。

 それに引き替え、政治、就中現政権の危機意識の無さ、危機管理能力の欠如、対応の拙劣、無責任体制、自己保身の醜さなどが随所に表れたことは甚だ遺憾でありました。
願わくば崇高な国家感に裏打ちされた国民目線に立った迅速かつ親身の政治を期待するものであります。

 さて、昨年は尖閣列島における中国漁船の領海侵犯事件や、メドベージェフ・ロシア大統領の北方四島訪問など我が国の主権に対し憂慮すべき事案が発生し、日本国民も改めて国益、主権、領海領空を含む領土問題等に関して認識を新たにしたところでありました。

 また、昨年末には民主党政権下初の新たな防衛計画の大綱、新中期防衛力整備計画が策定されたのでありますが、膨張を続ける中国の軍事力、あるいは依然として不気味な北朝鮮の核ミサイル開発状況、さらには最近の我が国周辺における各国の軍事的活動の活発化などを考えるとき、果たしてこの程度の防衛力で我が国の防衛、安全保障は十分なのか不安を感じざるを得ないのであります。

 災害復旧ももとより重要ですが、防衛力も一朝一夕には整備出来ません。是非将来を見据えた対応を願いたいと思います。

 さて、平成23年度の郷友連盟の活動につきましては、これから皆様のご審議を頂くわけでありますが、会員の減少傾向、あるいは財務基盤の著しい低落化等連盟を取り巻く環境は引き続き甚だ厳しいものがあるといわざるを得ません。

 また大震災の影響は政治的にも経済的にもあるいは社会的にも我々日本あるいは日本国民に今後大きくのしかかって来るでありましょう。

 然しかかる厳しい環境下にあればあるほど、私どもは私たち連盟の活動が「誇りある日本の再生」のため、いささかなりとも貢献しているという自負心を持って従来以上の活動を推進強化していくことの重要性を痛感するものであります。
どうか会員一人一人の皆様が本年一年間活動をより活発化されるよう期待申し上げるものであります。

 また今年度は大きなポリシーの変更について皆様に御計らいしなければなりません。
従来、連盟は法人制度改革に関し我が連盟の活動こそ公益の名に相応しいとの認識のもと公益社団法人へ移行すべく準備を進めていたのでありますが、諸般の情勢、就中将来にわたっての健全な財務の維持の困難性を考慮し、今後は一般社団法人として認定を受けるべく方針を変更して参りたいと考えております。

 公益社団法人から一般社団法人に衣替えしても、連盟の組織や活動等については従来同様で何等変わることはありません。
むしろ公益社団法人なるが故の強い制約を考慮するとき、より柔軟な活動が可能ではなかろうかと認識しているところであります。

 連盟としてはこの際一般社団法人としての連盟のあるべき姿や活動の基本的態度などに関し、将来を見据えた検討も考慮して参りたいと考えております。

 会員の皆様におかれましては苦渋の決断ともいうべき今回の方針の変更をよろしく推察され、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

 終わりに会員皆様の一層のご健勝とご活躍を祈念申し上げ、ご挨拶といたします。

       平成23年5月18日
                            日本郷友連盟会長 寺島 泰三

 平成23年度 社団法人日本郷友連盟 
全国理事会・通常総会、実施概要     
                                    理事長 新井 光雄


 日本郷友連盟の23年度全国理事会は5月11日郷友連盟本部において行われ、第56回通常総会に上程される議案の審議を行った。 第56回通常総会は、5月18日、東京新宿・グランドヒル市ヶ谷の大会議室で開催され、すべての案件を原案どおり承認可決して終了した。

○ 全国理事会
 11日午後1時から3時30分までの間、本部会議室で行われた。
 まず、寺島会長の挨拶に次いで中村常務理事の司会により、議事準備行為として(1)定足数の確認=理事現在数22名のうち、15名の出席(2)議長の選出=寺島会長(定款第21条の規程)(3)議事録署名人(2名)(永野節雄、瀧澤トミ子理事)の選出を行った後、議事に入り総会上程6議案と報告事項2項目の審議を行った。
 総会上程議案
 総会上程議案は次の7議案で、本部担当理事から説明があり、活発な審議の結果いずれも原案どおり可決された。
 第一号議案 平成22年度事業報告書
 第二号議案 平成22年度決算報告書
        関連‥監査報告書
 第三号議案 平成23年度事業計画書
 第四号議案 平成23年度収支予算書
 第五号議案 役員改選
 第六号議案 公益法人改革[定款変更の案(一般社団法人)等]
 主要事項の報告
 郷友総合研究所・研究成果(防衛=「国家安全保障法の制定」・教育=「小学校学習指導要領に例示された歴史上の人物」の2項目)について報告があり、審議および質疑応答の後、何れも原案どおり賛同を得た。
 
○ 基金管理委員会
 18日11時30分から12時10分の間、基金管理委員長(代理)以下7名の委員と、本部関係者として寺島会長、新井理事長、勝木、中村、冨田の各常務理事が出席して基金管理委員会が開かれた。 委員会では、22年度の連盟事業の成果および23年度連盟事業およびこれに関連する予算関係の説明が行われ、各委員から意見を頂いた後、全会一致をもって、23年度事業経費として郷友基金から480万円の支出を決定した。
 なお、本件については、基金管理規定により、通常総会(第四号議案)に報告し、承認を得た。また、東日本大災害に行動中の陸・海・空部隊に合計50万円(陸30万、海10万、空10万)の慰問品贈呈につき会長から紹介があり、その後冨田常務理事が宮城県女川町地域の災害派遣部隊(第14旅団‥善通寺)への郷友連盟からの慰問品贈呈につき細部の説明があつた。
○ 通常総会
 通常総会は5月18日午後1時30分から午後4時までの間、議長に寺島会長を選出して開催された。
 まず、定足数の確認、議事録署名人(2名中埜和男、加藤典男)を選出したのち、理事会で承認された6議案に加え第四号議案(郷友基金支出案)を含めた7議案および報告事項2項目(公益法人改革、郷友総合研究所・研究成果)について慎重審議を行い、全会一致で可決成立した。
なお、総会の最期に、今回の東日本大震災で多大の被害があった岩手県、宮城県、福島県の代表者が連盟本部からの見舞金への謝意表明があり、各県の現況などについて報告を行い、復興に向け尽力するとの決意表明があった。

 全般質疑応答
 総会の全般事項、連盟の運営および活動全般に係わる諸問題、ならびに公益法人改革(一般社団法人移行に関わる定款変更案)について活発な質疑応答が行なわれ、意思の疎通が図られた。

○ 表 彰 
総会終了後、表彰該当者で総会参加者に対し、寺島会長から表彰状の贈呈がおこなわれた。

○ 夕食・懇談会
17時から旧館「あぐら」において、各県の宿泊者および会長以下連盟本部理事および運営委員などを交えて、約2時間にわたり夕食会が行われた。残留の各県代表者から有益な意見を得、一層の懇親と相互理解を深め得た。

※ 本年は東日本大震災の復旧・復興活動もあり諸般の事情を考慮し、例年総会時に行われていた「式典」・「懇親会」を中止した。